『 靴みがき(後編) 』
ブラシとウエス(使い古しの綿シャツとか:元々は「waste(くず)」から由来する。ボロ布やボロのこと:だそうだ(三省堂「広辞林」より)で、埃やドロなんかを落とす。
靴クリーナー(クリーム)でさらに細かい埃をウエスで拭取る。
革の表面が次のクリームと馴染みやすくなるよう、湿気を帯びるのを待つ。
続いて靴の色に合わせた靴クリームを全体にまんべんなく、また、色落ちしてしまったところには、たっぷり「染色する気持ち」で塗りこむ。
他の靴も同じ順で進めるので、ここでしばし時間をおくことになる。
クリームが靴の肌に染込むのを待つように。
最後はまた使っていない「ウエス」で丁寧に「光れ、光れ!」と念じながら、革の表面を磨く。
するとさっきまでしっとりなめし革だったのが、見る見るうちに光を反射し始める。
革靴の質感の中に輝きを持つとそれは『艶(つや)』と呼ばれる。
手入れの行き届いた靴には、この『艶』が、しかも重厚な艶がある。
僕のお気に入り靴に、黒革のポストマンシューズ(郵便配達夫が履く、底が真平らの靴:《RED WING》社製)というのがあった。
この靴は良く履き、よく磨いた。
ある時、磨きたてのこの靴を履いて出かけた。
電車を乗り継いでのことだった。
JR品川駅のホームを歩いていたのだが、アナウンスの言われるまま、線路に落ちないよう足元(あしもと)に気を使ったその時、僕は目を奪われた。
快晴のその日の青い空が、自分のお気に入りの黒い革靴に映っていたのだ。
僕は驚いたが、その日一日、青い空を履いて、東京の街を歩いた。
もちろんすこぶる爽快な気分だった。
(了)
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コメント
お初です。
足元が気持ちいいと、ホント気分も晴れやかですね〜。
その逆は確かにイヤな気分になったり。。
不思議なもんです。
私は仕事柄?“靴磨き”をするようなものはめっきり履かなくなりました。
先日、吉祥寺にこちらも久しぶりに“家族で”(笑)散歩に行った時、衝動買いで3本ベルクロの白いスニーカーを買いました。
なんか“白”っていうのは汚れた自分にはちょっと眩しかったのですが(笑)とても気持ちいいです。。
投稿: フロムどーむ | 2007年6月 9日 (土) 10時47分
さっそくのコメントありがとうございます
僕は夏はトレトンのキャンバスと決めていますが、
この間、スペイン製のへんてこなズックを二足、やはり衝動買いしてしまいました:笑
追伸:今日うちにバイトできている学生の男の子が、サイクリング部に所属しているとの事だったので、品川ドームの宣伝をしておきました。
部で買うと、自転車も安いらしいですよ。(大家さんには内緒ですよ)
投稿: みのる | 2007年6月10日 (日) 00時34分
週末の朝は、僕もWOWOWで録画しておいた映画か、NHKの衛星放送でMLBの中継を眺めながらのんびり靴の手入れをします。月にいちどは丁寧にクリーナーで汚れ落としをして、それからクリームを塗りこみ、ブラシとウエスで仕上げ、つま先とかかとをワックスで磨きます。ウエスには女性のストッキングが最適です。しかも美しい脚の持ち主のストッキングがいい。では、靴磨き用に見る映画はというと『大脱走』みたいな男の子映画を眺めながら、というのが気分ですね。
投稿: 上野 歩 | 2007年6月12日 (火) 14時58分
この話題で上野さんのコメントがあるはずと思ってました:笑
きっと靴みがきをしているに違いないと、
ちなみに僕は、ストッキングはカラークリームを塗る時に使っていますヨン
コメント有難うございやーすm(__)m
投稿: みのる | 2007年6月13日 (水) 23時49分